自宅で過ごす時間の増加にともなって、インターネットを閲覧する時間が増えた方も多いのではないでしょうか。
今回は、メンタルヘルスをより良い状態で維持するための方法を調べ実践してきた個人的な経験をもとに、非常事態宣言下でのインターネットやSNSとの健康的な付き合い方に関する私的な考え方の工夫をお伝えしたいと思います。
私はインターネット、とりわけSNSを見て他者と比較しないようにすることを特に注意しています。
ここ最近のSNSでの傾向のひとつに、この自粛期間を“有意義に過ごそう”とするものがあります。
せっかくまとまった時間ができたり、自宅に居られる時間ができたからこそそれらを無駄にしたくないと思うのはとても立派な考えです。「この機会に人一倍努力してライバルに差をつけよう!」と啓発する人たちも現れています。
これらのことを、自分が楽しく実践できるのであれば全く問題はありませんが、もしも焦りや不安から実践しようとしているのであれば、立ち止まって考える時間が必要です。
まず、今は非常事態宣言が出ている平時とは異なる状況です。どんな人も、自覚の有無や強弱こそ違っても、何らかのストレスを感じている場合がほとんどではないでしょうか。そうした中で、さらに“有意義に過ごさなければ”と自分に課すことは、ただでさえストレスを感じている自分に対してさらに負荷をかける行為です。
また、SNSは基本的に投稿者が「見せたい部分だけを切り取って」閲覧者に見せているものだと改めて認識するのも大切です。誰もがいつ何時も有意義に過ごしているわけではありません。有意義に過ごせる日もあるし、だらだら過ごす日もある(自分を励ますために頑張って有意義に過ごそうとしている方もいらっしゃいますよね)。でも、わざわざだらだら過ごした日を投稿する人はいないので、どうしても有意義そうな日常が目に入りやすくなってしまいます。
同じ状況下でも、どれだけストレスを感じるかには個人差があり、そこに優劣はありません。今の状況でもストレスが少なく自分らしく時間を使える人はそうすればいいし、何か新しいことを始める気力がない人はできるだけゆっくりと過ごして自分を労ってよいのではないでしょうか。
SNSを見ているとどうしても焦りが出る、不安になるという場合は、少しSNSから離れたり、SNSでフォローしている人を自分なりに整理してみるのもひとつの手段です。特に匿名のSNSなら自分のタイムラインは人間関係に関係なく自分で構成しやすいので、これを機に自分が癒されたり元気になれる投稿だけでタイムラインを作るのも楽しいと思います。私は小動物や猫の投稿が多い方をたくさんフォローしていて、疲れてくるとそれらを眺めます。コメントもとっても平和で優しい気持ちを取り戻すことができます。
早朝の対談番組を見ていた際、その日のゲストだったあるお笑い芸人さんが、「みんな有意義に過ごそうとしすぎている。無意味にぼーっと過ごしてもいいのでは?」と話されていて、自分もほっと肩の荷がおりる感じがしました。
繰り返しになりますが、この非常事態下で平時にはないストレスを感じつつ、その上で普通に日常生活を営んでいることだけで本当に凄いことです。SNSで垣間見える一瞬の輝きに惑わされることなく、できるだけ自分のペースを維持して、心身ともに健康で平時を迎えられたらと思います。(カワマタ)
この記事へのコメントはありません。