トークセッション
「こっそり教えて!現役テレワーカーに聞いてみよう!」

※本トークセッションは現役テレワーカーお二人のプライバシーに配慮し、ご了承の下で当日のお話から一部削除や編集を行っております。

進行役

ゲストは現役テレワーカーのお二人です。自己紹介お願いします。

Aさん

生まれも育ちも徳島です。現在、子どもと夫の3人家族です。自営型 テレワーカーとして働いています。

Bさん

県外出身で夫の仕事で徳島に移住して9年目になります。子ども3人の5人家族です。

進行役

まずテレワークのきっかけを教えてください。

Aさん

昔から通勤に意味を見出せないタイプの人間で、「この仕事、家でできるよね」と思っていました。テレワーク養成講座のお知らせを広報紙で見かけた時に「これだ!」と思ってすぐに応募して、そのまま テレワーカーになりました。

Bさん

20代から30代前半まで正社員で働いていた会社があったんですが、その会社では出産や結婚で退職された技術系の女性社員の数人が会社と個人で業務委託契約をして退職後も県外でも働けるという仕組みがありました。私は事務職だったので徳島に移住した時には前の勤務先では働くことができなかったのですが、場所にとらわれない働き方っていうのができればいいなと考えていたところ、私も市の広報紙でテレワーカー講座案内を見つけました。講座で学ぶことで業務委託契約をして自営型テレワーカーとして働けるんだということを知りました。 

進行役

チルドリン徳島の他の事業でも広報紙を見てこられる方は非常に多いです。あと徳島新聞の「情報とくしま」に掲載していただいたりして、それを見て来られる方は多いです。
次にテレワークを始めてから今までの状況などを教えてください。

Aさん

テレワークを始めるまでは経理や受付などの一般事務をしていました。子どもの出産後は育児に専念し、小学校入学を期に働こうと思いました。今まで正社員や派遣を問わず色々な形態で働きましたが、なかには家で働きたいことを伝えると了承してくれる会社もありました。今から20年以上前なのでテレワークの先駆けだったと思います。当時はそのような働き方は無かったのでそのようなことを言い出す若造はなかなか居なかったと思います。でもそれくらい家で働きたいという思いが強い人間でした。現在は業務請負を2社と、個人事業主の方のお手伝いをスポットで入っています。午前中は必ずパソコンの前に座っており、午後は自由に自分の時間で仕事をしています。夜は仕事をしたくない派なので急用以外は対応していません。

進行役

20年以上前に自分がしたい働き方をしっかりと会社に伝えるAさんも素晴らしいですし、それに応えようとしてくれる会社の方も素晴らしいなと思いました。

Bさん

広報紙で見つけたテレワーク講座を受講して、1期生として講座を開催したセンターで働き始めました。その後コーディネーター養成講座も受講しました。伝える側になったことはそれまで以上のスキルアップに繋がったなと思います。元々在宅で働くことが目的ではなく、継続して何か仕事をしていきたいなと思っていたので、センターの閉館後は市の任用職員として家の外で2年間勤務しました。パソコンがないので貸して欲しいと尋ねてくる地域の役員の方やアプリの使い方がわからない高齢者の方がよくいらっしゃってお話をする機会があったので、コーディネーターの頃に感じていたデジタルデバイドの現状を知るいい機会になったと思います。任用職員2年目の継続が決まった頃に、テレワークセンター徳島のキャリアマッチングがありまして、そこで会計事務所の募集がありました。元々県外で会計事務所にも2年間勤務して転職して一般企業に勤めていたので、やはりまた会計事務所で働きたいと思って、今しかないと思って応募したところ、採用していただけたんですが、まだ任期の途中だったので、今年の3月までは午前中が任用職員として勤務、昼から在宅勤務をしていました。4月からは働いている企業で9時から3時まで在宅勤務をしています。パソコンとかモニターなども設備は会社から貸与されたものを使ってます。

進行役

本事業で過去に開催したキャリアマッチングが今のお仕事に繋がっているという流れになります。テレワークを学び、次に伝える側としてコーディネーターを経験し、キャリアマッチングを経て次のお仕事に繋がっているという流れがよくわかりました。では、周囲の方の反応はいかがでしょうか。

Aさん

家族はかなり 喜んでいます。子どもも私が常に家にいることですごく安心するようです。夫もすごく協力的で、テレワークに快適な環境を整備してくれました。効率的に業務ができるように高スペックPCや長時間の業務が苦にならないようにちょっとだけ高価なイスを買ってくれました。 周りの友人は家で働くより外に出てリフレッシュしたい人が多いので「ずっと家にいて息がつまらない?」と言われますが、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言発出時や台風で子どもが急に帰ってくるときなどはすごく羨ましがられました。

進行役

環境を整えるということはとても大事で、特にパソコンやネットワークの整備は大切だとお伝えしましたが、厚生労働省の「テレワークにおける 適切な労務管理のための ガイドライン」の中でイスや机の高さや照度などにも触れています。また家で仕事をすることが苦にならない方がいる一方で、人と話をしないことでストレスが溜まるっていう方がいますのでテレワークの適性もあるかもしれません。

Bさん

次男が小学校低学年なので周りに小さいお子さんがいるお友だちも多いんですけども、やっぱりおじいちゃんおばあちゃんの協力がないと外に出て働くのは難しく、在宅でパート勤務ができるのは羨ましいとよく言われます。子どもたちは帰宅時に家にいてくれるのが嬉しいとよく言ってます。また、小学校では行事で急に11時頃に下校ということがあるのですが、下校時間のためだけにその日は休みを申請しないといけないっていうことが無くなったのですごく助かっています。

進行役

子育て中だと特にテレワークだと隙間時間に用事できたり、通勤時間を他の時間に充てられたりするので、子育てや介護中の方がテレワークが活用できるといいですし、仕事を始めることや仕事を続けることの負担感も少し軽減されるように思います。次はテレワークのダメなところ、嫌なところをお聞かせください。

Aさん

2つあって、一つ目は仕事を見つけるのが難しいところです。ハローワークに行っても在宅OKという求人はなかなか無いです。二つ目はいつでもどこでも仕事ができる半面、仕事を中断することができずにずっと仕事をしてしまいそうになるところです。気になるところを調べていたら夕方になっていた、というようなこともよくあります。意識してパソコンの電源を落とすようにはしていますが、気になって寝る前にもう一度確認してしまうこともよくあります。

進行役

2つともテレワークあるあるで、特に仕事の区切りが付けづらいというのは会社勤務では起きづらいことですが、在宅勤務で一人でお仕事をしている方は陥りがちになります。雇用型の場合でも在宅で社員がそのような状況になっているとは会社は把握しづらく、時間管理が難しいという面もあります。

Bさん

雑談を同僚や上司とする機会が無くチャットやオンラインミーティングだけで、寂しさを感じることがあります。たまにオンラインで顔を合わせること以外では見かけたりする機会がない他の方は誰かはわからないので、ちょっとでもチャットで会話をする機会があると些細な内容でもとてもうれしいです。

進行役

これも雇用型テレワークあるあるで、フルリモートで全員が在宅勤務という会社より一部の方がテレワークであることが多いですが、その場合在宅の方がちょっと疎外感を感じたり、コミュニケーションが取りづらいという話はよく聞きます。続いて、テレワークでの失敗談はありますか?

Aさん

テレワーク ならではの失敗談とか悲しかったとかいうことはないです。敢えて言うなら対面と違って、コミュニケーションの取り方がすごく難しくて、こちらの意図がうまく伝わらなかったり「この言い方きつくないかな」みたいなことをちょっと心配してしまいます。

進行役

すごくよくわかります。私自身もテレワーカーの方とのやり取りが多いですが、顔文字や感嘆符をつけたりして、柔らかい感じや楽しい感じが伝わるようにしていますが、難しいですよね。みんなに顔文字を使うわけにはいかないですし、加減みたいなところが難しいですね。

Bさん

子どもに邪魔されずに集中して仕事をするために2階の最奥の個室で仕事をしていたのですが、ルーターが1階にあって中継機を利用して改善しようと思いましたがあまり変わらなくて、やっぱり そこの場所じゃダメだったっていうことがありました。仕事場所を移動したところ改善しました。また、自営型テレワーカーの頃にまだ 次男が乳幼児だったので、やはり小さいうちは仕事中だと理解してもらうのがすごく難しくて苦労した経験がありました。今は末っ子も小学生になり、すぐ近くで宿題をしてくるようになってお互いにとってちょうどいい距離で仕事とか勉強とかできてるなと思います。

進行役

環境はとても大事で特にネットワークが繋がらないと仕事にならない。徳島はインターネットが高速だといわれていますが、屋内の環境は自分で何とか整えるしかありません。次は今までの経験や資格で役に立ったものを教えてください。

Bさん

子どもが小さいうちは ゼロから学び直す時間っていうのはまだ なかったので、やっぱり20代、30代の頃に働いていた時の経験は大事だなと思いました。ただやっぱり昔使ってた会計ソフトは今は全然違うものになっていたりするので昔あった知識もやっぱり バージョンアップしていく必要はあると思います。テレワーク講座でオンラインで受講もしていたので、いろんなツールとかノウハウを知っており慣れていて良かったなと思います。今の会計事務所の職場でもExcelはよく使うので、もし使ったことがないとか、使い慣れていないっていう場合だったら講座で学んでおくのもいいかなと思いました。

進行役

Excelはすごく使いこなしておくまでは必須でないと思いますが、何の仕事にしろWord、Excelはある程度使えるといいと思います。とくしまテレワーク講座では毎年同じようなタイトルの講座もありますが、中身は見直しながら、なるべく新しいサービスを新しいバージョンでお伝えするようにしてますので是非ご活用ください。

Aさん

簿記の資格と経理の経験はすごく役に立ちました。また、テレワーク講座にあったGoogleスプレッドシートの使い方とかホームページの作成などは基礎知識がなかったので有難かったです。

進行役

本年度もそういった基本的なところを学ぶ講座もありますし、知っていると役に立つシーンもありますので ぜひご活用いただきたいです。お二人は元々のご自身がお持ちの資格とか 経理の経験をリスキリングでITの知識を得て、更に仕事に繋げていくということができていらっしゃいます。皆さんもそれぞれの強みや経験をテレワークとかICTを活用することで、今までの経験をゼロにすることなく、キャリアに繋げていくことが大切だと思います。逆にやっておけばよかったことやこれから学びたいことはありますか?

Bさん

やっとけばよかったことはあまりなくて勢いで進んでいって必要なものは学び吸収していけばいいというタイプなのでやっておけばよかったということは無いですが、テレワーク講座は毎年更新されているので、趣味みたいな感じで時間が合えば毎年受講していきたいと思っています。今回の講座に「ジョブカードを作成してみよう」というのを見つけたのですが、やはり毎年、自分の年齢とか、働き方とか色々変わって、目標も変わっていくので、目標を見直していくために受講して自分でジョブカードを作ってみたいなと思いました。

進行役

今、ご紹介いただきました講座は 厚生労働省の『徳島キャリア形成・学び直し支援センター』に監修いただいて、本事業スタッフが講師を務めるものです。皆さんのジョブカードの完成までは時間の関係で出来ないと思いますが、作成する意味とか、作成の手引きをお伝えする講座になっていますので、ぜひご自身のキャリア形成に役立てていただければなと思っています。

Aさん

デザインの勉強しておけばよかったなって思います。学んでおけばホームページの作成時に役立ったのかなと。WordPressでホームページの作成するときに、作成はできても画像選びと配置とか、そういうのを考えるときにすごく苦労することがあります。

進行役

ホームページはみんなが作るわけではないが、意外と仕事をしてるとホームページを少しさわれるだけで「この人こういうお仕事もできるんだ」と思ってもらえることもあるので、基礎的なところを知っておくと損はないです。今回の講座でも『初めてさんのためのWordPress講座』では現役のホームページ制作されてる講師の方に来ていただいて、本当に初めて WordPress に触る方のような方を対象とした入門講座をやりますので、「WordPressって何?」「これからホームページを作りたい」みたいな基本的なところから知りたいという方はこちらも受講いただければと思ってます。そろそろ時間になりましたので、最後にお2人からお仕事面や人生においての夢などをお聞かせいただけますか。

Bさん

夢を言うほどでは無いですが、やはり私は在宅で働くよりは、将来的には外で働きたいなと思っているので子育てが落ち着いたら在宅かどうかにこだわらずに働きたいと思っています。

進行役

今は子育て中で在宅で働いているが将来的には在宅にこだわらずに働きたいということであれば、それを自分の中でラインとして引いておく。そのためにはここまでにどういったスキルアップをしておかなければならないか、逆算して決まってくると思うので、まずどこでいつ何をするということを自分自身が決めることはとても大事なことだと思います。

Aさん

今は家族優先で業務時間に制約があるので、子育てが落ち着いたら思う存分仕事がしたい、要はバリバリ稼ぎたいなと思っています。私は本当にテレワークが大好きなので、将来どこに移住しても続けられると思っていて、夫とも宝くじが当たったらどこに住もうかなどとよく話しています。

進行役

みなさん共感できるのではないでしょうか。今は子育て中だったりして制約があるけど将来はバリバリ働きたい、それも出来たら在宅だったらいいなというのは共感される方も多いのではないでしょうか。来場の方から何か質問はありませんか?

仕事を見つけるのが難しいという話があったと思うんですが、そのなかでどのように見つけられたのですか?

Aさん

テレワーク養成講座修了後のキャリマッチングに参加し、その場ですぐに応募した会社と業務委託契約を結んでいただくことができました。あとは個人事業主の方に関しては、「 私、テレワークしようけん。何かお仕事があったらすぐ教えて」と知人友人問わずいろんな方に声を掛けました。テレワークの仕事を探していると聞いたらすぐに「する!する!」と積極的に応募しました。

Bさん

さきほどのキャリアマッチング以外では「CrowdWorks(クラウドワークス)」 をやっていた時期も自営型の頃はありました。ただその頃は子どもが小さかったのであまり継続はしなくて、単発でできる仕事を空いた時間に少しするぐらいで、やっぱり家ですることよりもその当時は外に出て働きたいなと思っていたので。登録をして仕事をして自分の経験として積み上げてはいましたけどそれをメインにはしていませんでしたが、すごく役に立ちました。

進行役

ご紹介のようなクラウドソーシングサイトで単発のお仕事で経験を積んで、長期のお仕事に繋げたいと頑張っている方もいらっしゃいますし、クラウドソーシングサイトの紹介をして一年後にお会いすると「こわくて一歩踏み出せないんです」という方もけっこういらっしゃいます。積極的に動くとか、ちょっと一歩踏み出す勇気みたいなものは必要かもしれません。

高齢者の人がどうやって働くかということがあります。人手不足もあり、テレワークを活かせたらと思っています。

進行役

人生100年時代で定年後20年くらい仕事ができるかもしれないが、ちょっとずつ身体がしんどくなってくるなかで在宅で働くことができるテレワークは非常に注目されています。私たちもシニア世代の働き方として推進していかなければならないと思っています。

進行役

Aさん、Bさん、本日は貴重なお話をありがとうございました。